メタルエンボッシングアートの歴史は、2世紀のローマ帝國時代に占領下のイギリスで始まった錫工芸です。

その後、中世ヨーロッパ諸国でキリスト教のイコンの装飾に金や銀が使われ始め、やがて細工のしやすい錫が使われるようになりました。

イコンとは、キリスト教(正教会の信仰)において、イエス、聖母マリアなどが板に描かれた絵のことで、ギリシャ語のエイコン(肖像・似像)が語源です。
そのイコンをキャンドルの煤やほこりから守るためにきんぞくの装飾によって覆う手法が現れ、それが錫を使ったメタルエンボッシングアートのルーツと言えるでしょう。

近年になり(今から40年ほど前)、スペインで芸術性の高いイコンの職人技をアートとして創作し始めた芸術家のグループが現れました。
アーティストたちの工夫から生まれた技術が、バックスキンの上にメタルシートを置き、道具を使って押してメタルを形成する方法です。

そのイコンの制作技術をスペインのマスターから学んだのが、メキシコのマグダリーナ・バリーナを中心とするグループでした。
テクニックや基本となる道具の使い方を学び、すぐにでもメキシコの人たち伝えたい、という思いがあったのでしょう。

メキシコはカトリック系のキリスト教徒が多く、近年でもイコンは信者にとって欠くことのできない存在です。
この技法でイコンを作り上げることを目標に、多くの女性がこのクラフトを習い始めました。
技術が伝わるにつれて、宗教とは無縁な家具や調度品などにも装飾が施されるようになりました。

2002年マグダリーナ・マリーナの娘であるマグダリーナ・マルドゥーンは、アメリカにこのクラフトを「メタルエンボッシングアート」という名称で紹介したのです。
そして、2004年、この「メタルエンボッシングアート」の技術をアメリカで学び初めて日本に教え始めたのが、わたしの尊敬する師、はりのけいこ先生なのです。

その後、普及活動がみのり、2007年日本メタルエンボッシング協会が設立されました。
このメタルエンボッシングアートは、他のクラフトや手芸ともコラボレーションでき、また、ペンダントやブローチのようなアクセサリーをメタエンボッシングで作ることもできます。
柔らかのメタルシートを様々なお道具を使って、静かに音の立てずに凹凸加工していきます。
火を使う窯もオーブンも使いませんし、ペイントのように水を取り換える手間もありません。
手の空いた少しの時間でも出来る手軽なクラフトです。

ぜひ、落ち着いた輝きを放つメタルシートの無彩色の世界と、美しい浮き彫りの手仕事が奏でるアートを、一度体験してみて下さい。



メタルエンボッシングアートに関する様々な情報は“メタルエンボッシングアート協会”ウェブサイトでも公開しております。併せてご覧下さい。









“メタルエンボッシングアート”についての説明です。起源、歴史等について公開しております。
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